今回は、2010年公開の戸田恵梨香さん、松田翔太さん主演の映画『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』について、ゲームの面白さや個人的に私が考えさせられた部分、特に本作品テーマの「信じあう心」と言う部分にフォーカスして書いていこうと思う。
あらすじ
ここではネタバレを避ける為にも、最小限のあらすじ紹介に留めておく。
以下はフジテレビムービー公式サイトからの引用だ。
ライアーゲーム決勝戦は、勝ち上がってきた11名によって争われる。ゲーム終了時点でマネーがプラスであれば賞金として獲得でき、マイナスであればその額が負債として確定する。獲得マネートップのプレイヤーが優勝、その賞金額は…なんと50億円!
最後のゲーム「エデンの園」は“信じあう心”がテーマ。その必勝法とは…“誰も騙さないこと”。プレイヤーが互いに信頼し合い、協力することができれば、全員がゲームに勝つことができるという。
しかし、決勝進出者の中には、最強の刺客“プレイヤーX”姿を潜めていた…。
いま、運命を賭けた最後のゲームが始まった。プレイヤーXの正体とは?最後に勝利する者は誰か?
そしてLTG(ライアーゲーム・トーナメント)の真の目的とは何なのか?
ナオと秋山は、すべての謎を解き明かし、生き残ることができるのか。
「エデンの園ゲーム」の面白さ

本作品中のゲームの面白さについて、まず語りたいと思う。
「エデンの園ゲーム」では、赤・ゴールド・シルバーの三種類のリンゴが用意されており、毎ターン1つずつ自分の好きなものを投票する。
- 全員赤→全員+1億円
- ゴールド・シルバーのみ→多数決で勝てば+1億、負ければー1億
- 全員がゴールドorシルバーのどちらか→全員ー1億
- 1人だけシルバーorゴールドでその他は赤→1人は+2億、赤を入れた人はー1億
- 1人だけ赤(他はシルバーやゴールド)→1人はー10億、他は+1億
以上のルールで賞金が決まっていき、複数回これを繰り返していく。
実はこのルールの構図は私がまさに今大学で勉強している「ゲーム理論」という経済学分野の話に通じてくる。
「囚人のジレンマ」というゲーム理論中の有名な話だ。
例えばA社とB社が同じ商品を同様の100円で現在販売しているとする。ここから来期の価格を考えていく。以下が価格による利益の変化条件だ。
・両社ともに現在の価格を維持すれば、ともに利益は4億円
・どちらか片方が価格を下げれば、下げた方が利益6億円で維持した方は利益1億円
・両社ともに価格を下げれば、ともに利益は2億円
この条件を踏まえつつ、2社はそれぞれ「維持」か「引き下げ」かの2択を選ぶ。
すると単純に利益を追求するとするならば、両社ともに「引き下げ」を行うこととなり、これ自体は専門的に言えば「ナッシュ均衡」と言い、実は正しい答えである。
しかしながら、結果的に両者ともに「維持」を選んだ場合と比べて全体の得た利益は少なくなってしまった、、、というのがこの「囚人のジレンマ」ゲームである。
本作品中の「エデンの園ゲーム」はまさにこの「囚人のジレンマ」を、そのままエデンの園というキリスト教の聖書に出てくる世界観と結びつけているのだ。
これにより、「裏切ればより多くの利益を得られる上に、裏切られた場合のリスクヘッジも出来る」、しかし「全員が裏切れば結果的に得られる利益は全体から見て減ってしまう」という中で、「人間は信じ合って赤リンゴを揃えられるのか」という、ある意味で「バカになれるか」といったような事が問われている、非常に興味深いゲームであった。
「信じる」とは、どのように生まれるのか
ここからは若干のネタバレも含むと思うので、ご了承の上読み進めて欲しい。

本作品の「核」である「信じあう心」という部分、これこそまさに最も観た直後に印象的だった所でもある。
皆さんは「信じる」と言われて何をイメージするだろうか?神?友情?
これらは本作品で言うところの「形式的」な部分でしかない。果たして「信じる」ことはどのようにして生まれるのか、という根本の部分を見つめていたのが本作品である。
さて、主人公の神崎ナオ(戸田恵梨香)は、ドラマ第一シーズンからずっと「バカ正直」という性格を貫いてきたが、今回のファイナルステージにおいてこれが遂に報われることになる。
ナオが最初からずっと「赤リンゴを揃えよう」と周りに言い続けたこと、そして彼女自身が赤リンゴを入れて損をし続ける様子、これを他の参加者たちはずっと見ていた。
これは言い換えると「自分の得にならない行動」をできる人間、としてナオのことを周りが認識したともいえる。
実際、プレイヤーとしては他全員に赤を揃えさせて自分はゴールドかシルバーを入れる、というのが最も合理的な選択ではある。ただ、ナオはそういった「裏切り」には一切手を出さない。
結論として、最後のラストで赤リンゴが揃うわけだが、これは神崎ナオという「信用が出来る人間」が先導して全員の意思が固まったのを見ていたX(ラスト直前まで裏切っていた人)が初めて他人を信用できた瞬間である。
自分の損得のみで動いている人と比べ、得にならない行動ができる人間は、それをするに値する「彼ら自身の強い信念」があるのだ。今回のナオの例だとそれは「赤リンゴを揃えて、信じあうことができると証明する」というものであったが、これに限った話ではない。
様々な場合において、カネを動機とせずに動ける人間は存在するが、そういった人々は結果「カネを理由に裏切らない」という信用が出来る。つまり単にカネの損得のみならず、自らの「目標」や「守りたいもの」がある人間に対し、私達は「きっとカネで裏切ることはない人間なのだろう」と判断を下すのである。
このように「自分の得にならない行動」を積み重ねることで、人間は信用を得ていくという事を本作品を通して学べたのが、今回すごく大きいと感じた。
さいごに
今回は映画『LIARGAME The Final Stage』を観た感想について語らせてもらった。
勿論、このシリーズ作品はドラマ・漫画含め全て観てきたが、やはり本作品が大きな1つの区切りとして、「タイトルである『ウソつきゲーム』というテーマを扱いつつ、『信じる』という正反対のテーマを伝える」ことに成功しており、そこが個人的にこの『LIARGAME』シリーズの大好きな所だ。
私がこの作品を初めて観たのはいつだか、十数年前の地上波再放送の時だった。その時私はまだ6歳くらいで、多分ルールなどは完全に理解しきれていなかったと思うが、その世界観の独特さにひたすら目を奪われた記憶がある。(独特の雰囲気や中々に多いカット数などほんとに大好き、、)
そしてそして・・・
なんと2026年4月からこの『LIARGAME』、アニメ化することが決定したそう!!!
これはファンの皆さんとしても、とても嬉しいニュースではないだろうか。
特に私は回し者でもないが、ぜひ皆で観て、盛り上がりたい!!!というか、
絶対盛り上がるに決まってる!!!
ということで、4月、楽しみに待つとしよう!!!
おわり。


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